翌日は朝食を食べ終えるとすぐにチェックアウトをして帰宅した。


 この期間に体調が崩れなかったことにひとまず安心する。


 久しぶりに特別危ないと思うこともなかった。


 むしろ、自分が病人で無いとさえ思えた。


 そんなわけで私は楽しかったし、父も喜んでくれたことだろう。


 私はひとつ、この世界に自分が生きた証を残せたような気がした。


 父の心の中に、たったひとつだけど。