「蒼来お姉ちゃん起きてる?」
カーテンにお人形のような可愛いシルエットが映り、「うん」と応えるとカーテンが空いた。
「蒼来お姉ちゃんはどれがいい?」
日葵ちゃんは両手にブレスレットを持って聞いてくる。
無邪気な感じが愛おしかった。
「うーん、私はこっちが好きかな」
今日のアクセサリーを決めかねている日葵ちゃんに、ハートのビーズでできたブレスレットを指さして言った。
「ほら、どっちも一緒だって」
「パパはなにも分かってないよ、ね?ママ」
「突然すみません」と私に謝る陽輝さんに日葵ちゃんは容赦なく言いながら灯さんのベッドに戻った。
灯さんは日葵ちゃんの問いかけに掠れた声で笑ったきりだった。
灯さんは急激な速度で体調が悪化し、今では身体が動かなくなってしまった。
もう長くはない。
いつからか日葵ちゃんも毎日お見舞いに来るようになった。
もう少しでその時がやってくる。
カーテンにお人形のような可愛いシルエットが映り、「うん」と応えるとカーテンが空いた。
「蒼来お姉ちゃんはどれがいい?」
日葵ちゃんは両手にブレスレットを持って聞いてくる。
無邪気な感じが愛おしかった。
「うーん、私はこっちが好きかな」
今日のアクセサリーを決めかねている日葵ちゃんに、ハートのビーズでできたブレスレットを指さして言った。
「ほら、どっちも一緒だって」
「パパはなにも分かってないよ、ね?ママ」
「突然すみません」と私に謝る陽輝さんに日葵ちゃんは容赦なく言いながら灯さんのベッドに戻った。
灯さんは日葵ちゃんの問いかけに掠れた声で笑ったきりだった。
灯さんは急激な速度で体調が悪化し、今では身体が動かなくなってしまった。
もう長くはない。
いつからか日葵ちゃんも毎日お見舞いに来るようになった。
もう少しでその時がやってくる。