「............えっ、」
「............はぁっ!?」
それは、近所にある、
少し怪しげな駄菓子屋で。
2人で購入したお菓子を食べていた時のこと。
さっきまで、
普通にお菓子を食べていた私の身体が.........
──────突然光ったあと、縮んだ。
小さくなってしまった、
私、伊咲いこいと。
私の彼氏兼幼なじみの、
笹野岳くん。
通称、がっくんは。
お互い、見つめ合って、
目をパチパチさせることしができない。
「待って、何が起きてんの、」
がっくんは、驚いた顔のままだけど。
興味津々に、私を触るがっくん。
小さくなった私には、
がっくんが触ってくるツンツンが............
「ひゃぁ.........やっ」
声が出てしまうほど、
──────とても、くすぐったい。
「.........っ、あ、いや、ごめん、
小さくなったいこい、なんか可愛くてっ、」
謝りつつも、〝可愛い〟と、
言って、頬を赤らめてるがっくん。
「.........〜っ、もうっ!がっくんってば!」
怒りたくもなったけど。
普段、キスする時よりも、
近い距離にドキッとして怒れない私。
するとそこへ........................
「が〜く〜!ちょっと、
お母さん、買い物行ってくるからね〜」
がっくんママの声が響いて、
お互いに、びっくりした私たち。
──────パタンッ
玄関から扉が閉まる音がして。
「とりあえず、この状況、どうすんの」
息を整えてから、
冷静に聞いてきたがっくん。
「ぅ、分かりません..................っ、」
がっくんの目の前、
机の上で正座させて貰ってる私。
「俺さー、いいこと思いついてる」
そう言って、私を見つめながら、
ニヤッと笑ってるがっくん。
がっくんは、昔から変わらない。
私が、〝何も思いつかない〟とき。
決まって、
──────悪知恵が働く。
「..................がっくん、
一応聞くけど、どんなこと?」
悪知恵じゃないことを願いながら尋ねると。
私をひょいっと持ち上げて。
今の私では、到底、
届きそうもない高さの箱の中に入れられた。
そして.................................
「ずっと、このまま閉じ込めるってどう?」
めちゃくちゃ嬉しそうな顔で言うがっくん。
がっくんの悪知恵は、
高校2年生になった今も変わらない。
「...............っ、どうって言われてもっ、」
普段なら、まともな案を提案出来るのにっ!
脳みそまで小さくなってるせいか、
頭をひねっても、出てこない案。
「いこいチャン無回答につき、
俺の独占欲で動くことにしまーす!」
その言葉が合図になって。
ミニチュアになった、その日。
私は、いつも以上に彼氏に独占されました♡
fin.