すると...........................



「俺、婚約者がいるのに、
いろはのこと、好きになったから.........っ、」



私の予想通りの回答をする壱葉くん。



その顔は、
ほんの少し、苦しそうにも見える。



でも............ちゃんと向き合わなきゃいけない。



「十六夜千歳さんの、こと?」

「っ、あぁ、」



私が尋ねると答えてくれた壱葉くん。



最近転校してきた、
十六夜千歳(いざよちとせ)さん。



十六夜財閥のお嬢様で、
──────壱葉くんの婚約者だ。



最近、凄く〝噂〟になってたから、
〝噂〟とかに疎い私でも、知ってる人物。