私は小さい頃から正義感が強かった。
曲がったことは嫌いで、ましてや弱い者いじめなんて、許すことができなかった。
だから、教室からお財布を握りしめて駆け出てきた仁香の腕を、私は掴んでいた。
『え、逢沢さん!?』
驚く仁香を引っ張って、私は教室の中に踏み込んだ。
『なにしてんの? 今、夏野さんのこといじめてたよね?』
突然教室に現れた私に、中井さんたちはわかりやすく驚いたように顔を青くさせた。
悪事が見つかったその時の中井さんたちの顔を今も覚えている。
『な、なによ』
正しいことを口にするのに、躊躇う理由なんてなかった。
『こういうのよくないと思う。これから夏野さんのことをいじめようとしたら、私が許さないから』

