私たちは、それから数分と経たないうちにやってきたバスに乗り込んだ。
高校は徒歩通学だから、バスに乗るのはなんだかんだ中学時代以来かもしれない。
空いている席に私を座らせ、その前に柊依が立つ。
私は柊依を見上げた。
「ごめんね、今日は着いてきてもらっちゃって」
「紫苑が謝ることじゃないだろ。俺が勝手に着いてくって言ったんだから」
「でも全然理由も話してなかったし」
私は膝の上で、組んだ両の指を組み直す。
そうしてざわざわと落ち着かない感情を整理していくように。
「……話してもいいかな」
「ん、聞くよ、いくらでも」
柊依の落ち着いた声が、私の背中を押す。
私は小さく息を吐き、それから声をぽつりぽつりと落としていった。
仁香とのこれまでの経緯を。

