【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「あれ、ふたり共、部活は?」

「抜けてきた」


ふたりが一緒にいるということは仲直りができたのだろうか。


そんなことに気をとられていたせいで、気づくのに一瞬遅れてしまった。

私の問いかけに応じた夢奈の声が、他のすべてを寄せつけまいとするように鋭かったことに。


ふたりはずんずんと私の机の前へと迫ってくる。


「どうしたの……?」


突然のことに椅子の上から動けずにいる私を、夢奈が見下ろした。

その瞳はいつもの愛嬌を潜め、見たこともないほど冷たい。


「私たち仲直りしたよ。それでね、聞いたの。紫苑が夏鈴の肩をもったって」

「え……」


胃の底に冷水を流し込まれたようだ。

危険信号が灯り目の前がちかちかと点滅をしだす。