【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





放課後になってもまだ、柊依にはメッセージが送れないまま。

一刻も早く謝らないといけないというのは頭ではわかっているのに、あと一歩の勇気がどうしても出ない。


「はぁ……」


重いため息が、閑散とした教室にどこにも届くことなく沈んでいく。


放課後を迎え1時間が経っても、私は自分の席に座ったまま動けないでいた。


クラスメイトはみんな各々帰宅したか部活に行ったかで、教室にはもうだれも残っていない。


柊依ももう帰っただろうか……。


真っ暗なスマホのディスプレイには、沈鬱な表情を浮かべた少女が映っている。

そのスマホをぎゅっと握りしめた時だった。


「……紫苑」


突然音のない空間の中で名前を呼ばれて顔を上げると、教室のドアのところに部活に行ったはずの夢奈と夏鈴がジャージ姿で並んで立っていた。