【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


私がどう答えるのか審査されているような、そんな追い詰められた気になる。


ここは夏鈴に合わせるべき……?


選択を間違えるわけにはいかない。

思考が保身へと走った。


「……夢奈が悪いと思う」


それを声に乗せると言葉としての実体を持ち、胸の中に仄暗い感情が立ち込める。


けれど夏鈴はそんな私とは相反し、安堵したように両手を握ってくる。


「よかった! 紫苑は私の味方でいてくれると思った!」

「うん……」


胸の中に立ち込めた仄暗い感情の正体は、罪悪感と後ろめたさだった。

私は夢奈にも夏鈴にも合わせ、ふたりを悪く言ってしまった。


けれど気づかないふりをする。

だってこれは、嫌われないための選択だったのだ。

相手に合わせ、相手の気分を害さないための。


高校という檻の中で生き抜く方法――それは、嫌われず波風立たず自分を殺すことだ。