――街を切り裂き走った夜。
未来日記という秘密の共有。
私をおんぶしてくれた帰り道。
ふたりで見上げた真っ青な空。
私と柊依のふたりきりの時間。
今までの柊依との記憶が頭の中を駆けていき、それと同時に私は夢奈に”こっち側”に入ってこられたくないと思ってしまった。
まるで土足で安寧の地を踏み荒らされる、そんな恐怖と危機感が広がっていく。
友達も異性人気も可愛いルックスも、夢奈はもうなんでも持っているくせに。
私の居場所をとらないで――!
「……ごめん、あんまりよく知らないの」
その返事は、頭を介さず心から喉を通じてこぼれ出た。
自分の言葉を理解した途端、急速に頭が冷えていく。
……なんでそんなことを言ってしまったのだろう。
協力すると一言そう答えれば、すべてが平穏に丸く収まるのに。
平和を侵してまで、私はなにを守りたかったの……?
私は、自分の気持ちがわからない。

