「紫苑……!」
夢奈の声が追いかけてくる。
こちらに向けられる複数の視線を痛いほどに感じながら、私は走る足を止めることができなかった。
そして教室の手前、電気の点いていない図書室に駆け込む。
なにかから逃げるように、無意識のうちに人のいない場所を選んでいた。
昼休みと放課後以外の時間には利用者がなく、思ったとおり図書室はがらんと静かさに包まれていた。
「はぁ、はぁ……」
入ってすぐのカウンターに手をつき、乱れた呼吸を落ち着かせる。
少しずつ酸素が体中に行き渡っていくと、頭がそれに比例するように冴えていき、冷静な自分が取り戻されていく。
そして同時に襲い掛かってくるものもあった。
それは私が犯した過ちの大きさだ。

