【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


すると、その時。

屋上にひとつしかないドアの向こうから、だれかが階段を昇ってくる足音が聞こえてくる音を察した。


それに気づいたのは、きっと柊依と同じタイミングだった。

目が合って、ピンチの気配を共有する。


「うそ、こっち来る……!?」


生徒が立ち入り禁止の屋上にいることがもし見つかったら、怒られて大事になるのは目に見えている。

そうだとしたら、先生たちからの評価が落ちるのは間違いない。


ある種の死を覚悟した、その瞬間。


不意にぐいっと手を引かれた。


「はぁ~、腰こった……」


隣のクラスのおじさん先生が屋上に現れたその時には、私は柊依に連れられ、給水塔の影にいた。

慌てて隠れたから、姿勢を崩した私は膝をついて柊依の胸元に顔を埋める体勢になってしまっていた。