【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


授業開始を知らせるチャイムの音が空に響き渡る中、私と柊依は並んでタイルが敷き詰められた屋上の地面に座り、空を見上げた。


「すごいね、未来日記は。どんな未来も叶えちゃうんだ」


ひとりごちるように呟くと、柊依が空に視線を向けたまま声を返してくれる。


「だな」


優しい風に吹かれながらだだっ広い空を見上げていると、月並みな表現ではあるけど自分がちっぽけな存在に思える。


「紫苑。こうするとよく空が見えるぞ」


ふと、隣で柊依が屋上のタイルの地面に寝転がった。

私も誘われるまま、柊依の隣に寝転がってみる。

すると、まるで白いキャンバスに水色の絵の具をかけたような一面真っ青な大きな絵が、目の前に出現する。


そんな空の圧倒的な雄大さを前に、心が開放的になってしまったのだと思う。

素直な感情が言葉となってあふれた。


「ありがとう。私を屋上に連れ出してきてくれて」

「え?」


柊依がいなければ、私はきっと一生この景色を知らないで、空なんか見上げる余裕もないまま、高校という狭い空間の中でただ息を繰り返すだけだったと思う。

けど今日を経て、無色だった私の高校生活の中に、真っ青な1ページが加わった。