【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


今日もまた赤っ恥をかかされたらどうしよう……。

そんなことを思い、深く沈んだ気持ちを抱えながら、夢奈と夏鈴の後をついて歩いていた時だった。

突然背後から伸びてきた手に、腕を掴まれた。

そしてあっと思った時には、空き教室の中へと連れ込まれていた。


状況をまったく理解できないまま顔を上げた私は、思わず「げ」と顔をしかめそうになる。

だってそこには柊依が立っていたのだから。

いたずらっ子みたいな笑みを浮かべる柊依は、今日もむかつくくらいに顔がいい。


「よう」

「ようって……! いきなりなんなの!」

「一緒に授業サボらね?」


柊依の突拍子もない提案に「はあ!?」と自分でも驚くくらいの声が出た。


「サボるわけないでしょ。私はあんたと違って優等生なの」


この前はちょっと危なかったものの、いまだ無遅刻無欠勤を貫いている。

優等生が授業をサボるなんてあり得ない。

内申点に響くし、なにより心証がよくない。


柊依が授業をいくらサボろうが私には関係ないけど、私のことまで巻き込まないでほしい。