【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





結局、日誌を書き終えたのは、暗くなってからだった。

今日は見たいテレビ番組があったのに、間に合わなかった。

少しでも書いてあればよかったのに、日誌は空白だらけでひとつも埋まっていなかった。


しかも災難は続く。

先生に日誌を提出したら、新しい雑用を押しつけられた。


私は雑用係じゃないのに。

いっつもそう。

私に頼めば断らないのを知っていて、先生もクラスメイトも、いろいろなことを押しつけてくる。


朝から靄がかかったように体も頭も怠くて、余計に気が立っているのかもしれない。


いらいらは、まるで降り注ぐ雪のように心に積もっていく。


人間の心にはキャパがあって、それを超えないように、みんな感情をセーブしながら生きている。

けれど、私はそういう感情のコントロールが苦手な人間だ。

いつの間にか表面張力でなんとかぎりぎりのところで我慢していたものが、限界を超えて音もなくあふれてしまった。


――だからなのだろう。

普段したことも、しようとすら考えたこともないような非行に走ったのは。