【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「じゃ、帰るか」


それから左の踵にも絆創膏を貼ると、柊依は私の前にしゃがみ込んだまま背を向けた。


「え?」


それがなにを意味しているのかわからず、疑問符を浮かべると、肩越しに柊依が振り返る。


「俺の背中に乗って。おぶっていくから」

「なんの冗談……」

「冗談じゃねぇよ。そんな足じゃ家までもたないだろ」

「でも」

「ほら、早く」


いつにも増して真剣なその声音に急かされて、私は観念した。

この足で家に辿り着くのが困難であるのは、私が一番わかっていたから。


「……お願い、します」

「ん」


おずおずと体を預けると、ふわりと私の体は宙に浮いた。