【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


速く歩いていたせいか、異変が起きたのはそれからすぐのことだった。


藤公園の近くまでやって来たところで、左右の足の踵が擦れて痛みを覚える。

原因には心当たりがあった。

4月になり新しいローファーを卸したのだけど、まだ革が硬く足にフィットしていないせいで、靴擦れを起こしているのだきっと。


早く歩きたいと思うのに、踵の痛みに阻まれる。


それでも何事もないふりをして無理やりに歩を進める。


それなのになんでだろう。

柊依は私の些細な異変をすぐに察してしまうのだ。


「どうした?」

「え……?」

「もしかして足痛い?」


家まではまだもう少しある。

ずきずきと増していく痛みに、それまで隠し通すことは無理だろうと判断した私は、小さく頷く。


「靴擦れ、したっぽい……」

「靴擦れ? 見せて」