そうして女子たちが行ってしまうと、柊依が笑顔を唇に乗せたままこちらを振り返った。
「さ、そういうわけだから。帰るぞ」
「は?」
「送るよ、家まで」
「でもさっき、先約があるって……」
「だからそれが紫苑なんだって」
意味がわからない。
たった昨日からの付き合いなのに、柊依はいつだって私の想像の範疇を超えてくる。
だから手に負えなくて厄介なんだ。
「いやだって言ったら?」
「着いていく」
柊依と話しているとらちが明かない。
いつまでも押し問答だ。
この駆け引きに結局折れたのは私だった。
観念して一緒に校舎を出て、柊依が着いてくるのを黙認する。

