【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





物語の導入とも言える一章が終わったところで、ふと物語に没入していたことに気づき、わたしはふうと息をついた。


いつの間にか、ターミナルの窓の外には青空が広がっていた。

6時になり、少しずつではあるが人の往来も増えてきた。


なんの前情報もなしに読み始めたけれど、まさかSF要素も入ってくるとは驚きだった。


未来日記。

これは物語の中の話だけど、そんなものが本当に存在するとしたら、わたしはどんな未来をそこに書くのだろう。


未知で謎に包まれた未来日記の登場に、わくわくと心がくすぐられる。


それにこの紫苑という主人公の気持ちは、共感できるところがあった。


つい最近のことではあるが、高校生の頃のわたしも劣等感というものには覚えがある。

今、その劣等感は自分の中でうまく消化できているけれど、きっと高校生というものは、そういった悩みがつきものな年頃なのだろう。


手続き開始までにはまだまだ時間が残っている。

残酷なほどに瑞々しい高校時代に思いを馳せながら、わたしは物語の続きへと視線を走らせた。