【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「こんな時間までなにしてたのよ」

「そ、それは……」

「ん?」


菫は私の劣等感の源だ。

でも、菫のことを愛している気持ちもまた私の中にはしっかりあって、そこに嘘はない。


菫は私の魂の片割れであり、最大の理解者なのだ。

そんな菫に隠しごとはできるだけしたくなかった。

それに菫と柊依は仲がいい。

いずれ今回の出来事は菫の耳にも入るだろう。

そうなるくらいならと、私は自分から白状する方を選択した。


「柊……市村の家に行ってた。熱出しちゃって倒れたところを助けてもらったの」

「へぇ、柊依」


菫が意外そうに、大きな目をいっそう大きくする。


なにか言われるかと思ったけど、菫は予想に反して意味ありげな笑みを唇に乗せた。


「なんか意外な組み合わせ。でもいいんじゃない? 柊依、フリーだし。だけどすっごくモテるから、しっかり見張っておかなきゃだめよ」

「そ、そういうんじゃないから……!」


茶化されて、顔が真っ赤になる。

今まで男子とは縁のない生活を送っていたから、菫と恋バナなんてしたことがなかった。

柊依とはまったくもってそんな仲ではないけれど、異性の話がこんなもぞもぞするものだったなんて。