【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「その次の日は、時計台が直るって書いた」


柊依の言葉どおり、4月21日(Fri)の欄には【藤公園の時計台が直る】とそう書かれている。


それも覚えている。


高校に行く途中の通学路にある藤公園。

遊具と言えばブランコしかなく、広々としているもののひどく閑散としている。

けれど私にとっては昔から馴染みがあり、人がいないからこそ落ち着ける場所だった。


その藤公園の奥に、時計台がある。

時計台も古くて、一昨年あたりからずっと時計の針が5時を指したまま止まってしまっているのだ。


古い公園なんてだれの視界にも映っていないと思っていたのに、柊依も時計台の存在に気づいていたとはちょっと意外だ。


時計の針が止まっているから時間を確認できるわけでもないのに、小学生の頃からその前を通っていたせいか、私は毎朝その時計台を視認してしまう習慣がついていた。

だから時計の針が動き出したことにも早い時点で気づいたと自分でも思っている。

そう、それはたしか、日記に書いてあるとおり先週の金曜日。


2年も放置されていたのに突然また時計の針が動き出したことに驚いたけど、まさか柊依の未来日記が関わっていたなんて……。