【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


顔も服も泥だらけになりながら、わたしは一心不乱に穴を掘り続ける。

そしてどれくらいが経っただろう。

空で元気にその存在を主張していた太陽が暮れ始めた頃、ついにシャベルの先端が土や石ではないなにか固いものにぶつかる感触に出会った。


はっとして、穴を掘り進める。


すると、土に汚れた四角いアルミ缶が姿を現した。

探し求めていた、それに間違いない。


いざ本物を前にすると、急激に心臓が早鐘を打ち始める。

だって封印したはずの記憶が、そこにあるかもしれないから。


土のついた手を払い、アルミ缶を開ける。

その中には綺麗な状態のままで、ふたつの封筒が入っていた。


大きな方の白い封筒を手に取る。

それはわたしが入れたはずのものだ。


封筒を開くと、先に白い硝子玉のキーホルダーがこぼれ出た。

それは夢奈と夏鈴とおそろいで買ったものだ。

どこに行ったのかと探していたけど、小説を読んで初めてタイムカプセルの中に入れていたことを知った。