【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「紫苑……」


君は俺の太陽だった。

何度間違えたって壁にぶつかったって、立ち上がることを恐れなかった。

もがきながらも前を向いて生きようとする君が眩しくて仕方なかった。


ビーナスベルトを初めて見つけたのは、眠れない夜を持て余し、街に逃げ込んだ時のことだった。

独りで見るビーナスベルトは圧倒されるほどに綺麗で、それと同時に胸に孤独を突きつけてきた。

大切な人とこの景色を見る、そんなきらきらした未来は俺にはきっともうない、そんな諦めと悲観に暮れていた。


でも紫苑は、俺の真っ暗な未来を塗り替えてしまった。

ふたりでビーナスベルトを見た日、本当は涙が出そうなくらい嬉しくて幸せだったんだ。


「好きだ……。好きだよ、紫苑……」


紫苑は惜しみなく俺にくれた。

かけがえのない一瞬という景色を。

眩しいほどの愛おしいという感情を。


孤独なまま終わるはずだった俺の命を、君が救ってくれたから。


心は決まっていた。

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願うのは、たったひとつだけ。

――どうか君の明日が優しいものでありますように。




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