【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





『明日、会わない? もしよかったら、柊依の家で』


放課後、ふたりで下校途中、紫苑から緊張に染まった声でそう切り出された。


予定はないし紫苑と休日も会えるのは嬉しいから、もちろん二つ返事で承諾する、が。


『いいけど、俺ん家なんもねぇよ?』

『い、いいの!』


こちらを見ようとせず頑なに首を横に振る紫苑が、なにか企んでいるのは明白だった。

そんな嘘がつけない紫苑を可愛いなと苦笑しつつ、彼女の思惑の存在に気づいたことは見なかったふりをすることにした。


『おっけ。楽しみにしとくわ』


それが昨日のこと。

そして今日、紫苑と菫が自宅に来るため、俺はキッチンの整理整頓をしていた。

菫からこそっと、紫苑はくらむちゃうだぁってやつを作る気でいると小耳に挟んだのだ。


軽くキッチンを掃除し終えると、今度は家の中の掃除機がけだ。


平日もできる限り掃除機をかけようとはしているけれど、実際問題難しいわけで。

だから掃除ができる時は、隅々まで綺麗にするよう心掛けている。