【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


俺に残されたのは、胸に穴が開くほどの寂寞と虚無感と孤独と巨大な罪悪感。


きっかけは俺だったのだ。

俺があんなことを言わなければ、よかった。

あの日、出かけなければ3人が命を落とすことはなかったのに。


……俺のせいだ。


あの日から俺は出口のない真っ暗なトンネルの中を、宛もないまま彷徨っていた。

ずっとわからない。

なんで俺だけが生きているんだろう。

俺はなんで生きているんだろう。

なんで、なんで、なんで。


表面上だけは人間の形を保ちながらも、その実中身はがらんどうの空っぽだった。

月日が経ち高校生になっても、俺の手により家族を喪ったという現実は、俺を追いかけて離してくれなかった。

途方もないほど真っ暗な現実を前に、俺は無力だった。


だから未来日記が俺の前に現れた時、禍々しく思いながらも、心のどこかではようやくこの日がきたと思った。


ずっと考えていた未来があった。

けれど実際には、その未来を実現させる勇気がなくて、ずっと足踏みしていたから。


俺は来年の3月30日を開いた。

そして迷いない手つきでペンを走らせる。


【3月30日(Sat) 市村柊依は自殺する】


それだけが、俺の望む未来だった。

ずっとだれかに人生を終わらせるための背中を押してほしかった。

今年の春、俺の未来にようやく待ち望んでいたゴールができた。