【柊依side】
叶えたい夢も、輝かしい希望も、すべて葬り去られた俺に願う未来なんてなかった。
それなのにそれは突然俺の前に現れた。
――未来日記。
高校1年生を間もなく終える、3月30日のことだった。
俺の人生は3月30日とは切っても切れない運命なのかもしれない。
こんなタイミングで現れたそれはまるで、お前に叶える価値のある未来なんてあるかい?と、俺を嘲笑っているように思えた。
やがてそのノートの力の有効性と信憑性を確信した俺は、来年の3月30日のページを開いた。
そして――。
*
俺は家族に恵まれていたと思う。
あまり友達と家族の話をしないし、まわりの家族関係を詳しく知らないけれど、多分人並み以上に恵まれていた。
大らかでいつも笑っている父、少し抜けているけど優しい母、そして可愛くて仕方のない溺愛する妹。
家族が揃う朝食と夕食の場は、いつだって笑顔で溢れていた。
その温かい空間はずっと俺を包んでくれているのだと、そう信じて疑わなかった。

