すると菫が横目で私を追及してきた。
「私のことよりあんたの告白の方は大丈夫なの?」
大丈夫かと聞かれれば、決して大丈夫ではない。
けれど自分なりに懸命に考えたつもりだ。
「……自分の気持ち、偽らずに全部伝えるつもり」
側道を走っていく車が、熱風を巻き起こしていく。
お気に入りのワンピースが、ふわりと揺れる。
「ふぅん」
「それでね、このリングを渡すの」
私はワンピースのポケットから、シルバーのリングを取り出した。
それは昨日の放課後、ショッピングモールで買ってきたばかりのものだった。
指輪の内側に、相手へのメッセージを刻印することができるリング。
柊依にはずっと伝えたいことがあり、告白をするタイミングでこれを渡すのがうってつけだと思った。
「なんだかプロポーズみたいね」
ちゃかす菫に、なんだか自分が張り切っているみたいに思えて顔が赤くなる。
「そ、そんなんじゃないけど……」
「でもいいんじゃない? 微笑ましいわ」
菫がくすっと笑う。
恋愛のことになると偏差値が一気に小学生並みかそれ以下になる自分が恨めしい。でも。
「喜んでくれるかな……」
「ええ、きっとね」
私を動かす原動力は、柊依のことが好き、その想いだけなのだ。
菫の声にちっぽけな勇気の炎が灯り、柊依への想いを噛みしめた、その時だった。
「なずな……っ!」
女性の耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきたのは。

