【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





7月1日、土曜日。


その日は朝からうだるような暑さだった。

夏の訪れを実感せずにはいられないほど、頭上で太陽がその存在を主張している。


「菫、今日の計画は大丈夫だよね?」


3時頃、太陽の熱を照り返すアスファルトの上を歩きながら、私は隣の菫に何度目かわからない確認をした。

菫はうんざりしたようにため息をつきながらも、私の問いかけに答えてくれる。


「大丈夫よ、わかってるって。夕食を食べ終わってあんたが伸びで合図をしてきたら、席を外せばいいんでしょ」

「そう!」

「こんなまどろっこしいことするなら、最初から私なしで柊依に会えばいいじゃない」

「それはむり……! 告白するってなったら意識と緊張で柊依の顔見られないもん……!」


そう、今日ついに私は柊依に告白をする。

私が告白することによって関係性が壊れてしまうかもしれないことが怖くて、ずっと踏み込めずにいた、友達とそれ以上の関係性の境界線。

でも柊依を好きだという気持ちは、いつの間にか胸の中だけで抱えきれないほど大きく膨らんでしまった。


そうしてついに告白をするという一大決心をしたはいいものの、ひとりではとてもではないけれど心細く、こうして菫に着いてきてもらったというわけだ。

柊依には、これから家を訪ねる旨、了承を得ている。

これから柊依の家で、夕食に私お手製のクラムチャウダーを振る舞う予定だ。

菫には、こんな暑いのにクラムチャウダー?と文句をつけられたけど、私の唯一の得意料理なのだから仕方ない。

告白の前に、胃袋を掴んでおくという作戦なのだ。