【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





「ん……」


朝日が瞼を刺激する。

眩しい光に起こされて、私は目を開いた。


白い無地の天井が目に飛び込む。


視線だけを左右に動かすと、見たことのない部屋で、自分が布団に横たわっていることに気づいた。


私の部屋じゃない。

ここはどこだっけ、どうしてこんなところにいるんだっけ……。


瞬時に絡まった記憶の糸を手繰り寄せる。


昨日の夜街に繰り出して、それから市村に会って――そうだ、市村。


「起きたか」


すぐ近くから聞こえてきた声に、はっとして顔をそちらに向ければ、市村が布団のそばに胡坐をかいて座っていた。