【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「これ、いつ開けることにする?」

「んー……、そうだな」


柊依が考え込むように、少し宙へ視線を飛ばす。

顔を上げるのに合わせて、喉に綺麗な形の喉仏のラインが浮き出る。


そして柊依は真っ青な空に向かって声を飛ばした。


「紫苑が開けたくなったらでいいよ」

「え?」


それは拍子抜けする返事だった。


「なにそれ、何年後とか決めないの?」

「うん、いーよ。紫苑のタイミングで」


私に視線を落とした柊依の表情は、いつかの未来を見据えるような、その未来を達観したような、そんな表情で。


私はこのタイムカプセルをいつ開けるのだろう。

その時、隣に柊依はいてくれるのだろうか。