【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





翌日。

柊依とタイムカプセルを埋める約束をした日。


肝心のタイムカプセルを埋める場所は、ふたりの共通の知っている場所である藤公園。


土曜日のため、藤公園集合の約束だ。


着ていく服を決めるのに、昨日の夜、数時間悩んだことは柊依には絶対言えない。


早く柊依に会いたいと思ったら、ついつい足が急いてしまい、約束の11時になる30分前に藤公園に到着した。

相当早く着いてしまったから柊依を待つことになるだろうなと思ったのに、なんと柊依は私よりも先に藤公園に着いて、私を待っていた。

タイムカプセルを埋めるためであろうシャベルも持って、準備万端だ。


「え、柊依!?」

「よう」

「早くてびっくりした」

「休みまで紫苑に会えると思ったら、なんか早く目が覚めたわ」


この男は、あまりに甘いことをさらりと投下してくるから、まったく油断ならない。


「馬鹿なこと言ってないで、早くタイムカプセル埋めるよ」

「馬鹿なことってなんだよ、紫苑ちゃん」

「う、うるさい」


ああ、私はなんでいつも可愛くない態度ばかりとってしまうのだろう。

でも、本気じゃないくせにからかってくる柊依が悪いのだ。

口がうまいのが腹立つ。


赤くなった顔を見られないよう、柊依の視線から逃げるみたいに早歩きで藤公園に足を踏み入れる。