【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





屋上に行くと、屋上の扉の鍵は開いていた。

あらかじめ柊依が開けてくれていたのだろう。

なんせ柊依には、無敵の魔法の書があるのだから。


真っ青な空が頭上いっぱいに広がり、私を迎える。

どこまでも果てしなく澄んだ空が、あの日は綺麗に見えたのに、なんだか今はひどく恨めしく思えた。


青い風が頬を切る。


屋上を囲むフェンスに手をかけ、ぼんやりとグラウンドを見下ろす。

昼休みのグラウンドには、運動部が練習する姿がちらほら散見できる。


その時、背後でドアの開く音がした。

続けて響く、澄んだアルト。


「珍しいな、紫苑が俺を呼び出すなんて」


振り返ればやはりそこには柊依が立っていた。