【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





クレーンゲームを終えて、ゲームセンターを出ようとしたところで、不意にくいっと制服の裾を掴まれた。

後ろから引き留められ、私の動きが止まる。


振り返ると、柊依がゲームセンターの奥の方を指さしている。

人差し指が示す先には、ぱっちりとした目の綺麗な女の人がプリントされた大きな白い箱があった。


「プリクラ撮ろうよ、紫苑」

「え?」

「一緒に遊んだ記念に」


なんだか青春感が強すぎて、逆に怖気づきそうになる。

放課後に好きな男子とプリクラを撮るなんて、自分の身に起きている事実だと信じられない。


一瞬躊躇いが生まれたけれど、私も形として残る柊依との思い出がほしいと思った。

頭の中でいつかぼやけていく記憶とは違う、たしかな思い出が。


「そうしよっか」と答えると、柊依は私をプリクラコーナーに連れていく。


プリクラなんて中1の時に仁香と連れだって撮った時以来だ。


撮影ゾーンに入ると、その中が思ったよりも狭いことに気づく。