【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように





本屋を出た私たちは、菫の提案で次にゲームセンターに向かうことにした。


柊依が先導するように歩いてくれる。

菫は私の隣で、今もにこにこと上機嫌で足取りも軽い。


ゲームセンターは本屋と同じ3階にあるものの、それぞれ東と西の端に位置するため、だいぶ距離がある。


ゲームセンターに向かう道すがら、私はふと一軒のアクセサリーショップに目を留めた。


店先にはリングが並び、そのリングの内側に文字を刻印するというサービスをしているようだった。

シンプルなシルバーリングで、男女関係なく使えそうなデザインだ。


ふと引き寄せられるように、足がそちらに向かう。


真っ先に頭の中に浮かぶのは柊依。

柊依の長い指に、このリングがすごく映えそう――。


「気になるの?」


背後から声が聞こえてきて振り返れば、菫が私の肩越しにリングを覗き込んでいた。


「うん、ちょっとだけ」

「ああ、これ知ってる。比較的安価だから、メッセージを入れて友達にプレゼントが流行ってるらしいわよ。高校の友達にも持ってる子がいるわ」

「へぇ……」


たしかに値段も高校生のお財布に優しく、シンプルなファッションリングとして気軽にプレゼントしやすい。

もし柊依にプレゼントしたら、柊依はどんな顔で受け取ってくれるのだろう。