【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


そうと決まれば、話は早かった。

菫がさっそく三人で遊ぶ場をセッティングしてくれた。


翌日。放課後になると、二日続けて急いで教室を駆け出し、校門へと向かう。

HRがあり担任の先生の話が長引いたから、きっと柊依と菫を待たせてしまっているに違いない。


急いで校門に向かうと、やはり柊依と菫はすでに待っていた。


「やっと来たわね」

「ごめん、遅くなって……」


菫に返しながら、そっと菫の横の柊依を横目でちらりと窺う。


「よう、紫苑」


私とは違って普段どおり屈託ない笑顔を向けてくる柊依。


「う、うん」


見慣れていたはずの笑顔がやけにキラキラと眩しく見えて、直視できずに私はふいっと視線を逸らす。


と、逸らした視線の先に、柊依の左耳を見つけた。

そこには、昨日私が開けた穴が開いている。

私の手で刻み込んだ、一生消えない痕――。

その痕を見た途端、きゅうっと心臓が真綿で締めつけられるような感覚に陥る。


こんなにも恋心が膨らんでいたことを、柊依を前にして改めて実感させられる。


「さ、集まったことだし行くわよ」


酸素がなくなってしまいそうになった時、その空気を断ち切ったのは菫だった。


「行くって、どこに?」

「なんだ、紫苑も知らされてないのか」

「うん……」


柊依と顔を見合わせていると、腕を組んだ菫がにっこりと笑った。


「今日はぱーっと遊びましょ」