【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


「夢奈と夏鈴にも謝ったんだ。物分かりのいい、いい子を演じてたんだって。ずっとふたりに対して胸の中にあってもやもやしてたことも伝えた」


ずっとふたりが悪い、私は被害者だという認識が頭のどこかにあったけど、私が歩み寄らなければいけないこともあって。

そのことに気づけたのは、この一件があったからだ。


正直に伝えれば、夢奈と夏鈴は少し驚いていたし、衝撃も受けているようだった。


そして受け入れるのは時間がかかると言った。

ふたりは切り捨てたりせず、向き合おうとしてくれた。

そのことがどんなに嬉しくて救われたか、ふたりは知っているだろうか。


これまで、夢奈たちと仕方なく一緒にいるという意識が、きっとずっとどこかにあった。

ひとりにならないため、友人がいる私というステータスのため、私はふたりを利用していた。

でも本当の友達って、そういうものじゃない。


私のその損得勘定意識は多分、形は成さなくともなんとなく伝わっていたのだと思う。

ふたりと心の距離が近づかなかったのは、私のせいだったのだろう。


「もちろん今までどおりとはいかないけど。でもやっと、ふたりに近づけた気がする」


もっと肩の力を抜いて、自分らしくふたりに向き合えるようになりたい。


すると柊依は、にこっと白い歯をこぼし笑った。

まるで自分のことのように嬉しそうに。


「やっぱり強いな、紫苑は」


ぐしゃぐしゃーっと頭を撫でられ、またさっきの熱が込み上げてくる。

まったく調子が狂う。

柊依にこんな笑顔を向けられて、まともでいられる人がいるというのなら、会ってみたいくらいだ。