【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


そして柊依は立ち上がりざま、私に訊いてくる。


「なんか飲む?」

「あ、お構いなく……!」

「こら、遠慮すんなよ。麦茶とコーヒー、どっちがいい?」

「じゃあ……麦茶で」

「了解。ちょっと待ってて。適当に座ってくれていいから」


そう言って柊依はキッチンの方に行ってしまう。


残された私は、ソファーに座るのはなんだか憚れて、ソファーの下にある小さな座布団の上に腰を下ろす。


そして正座で柊依を待っていると、ふと自分が異性の家に来たことを今更ながらに意識してしまった。


深く考えずのこのこ着いてきてしまったけど、そういえばここは男子の家なんだ。

そう思うと、急に緊張してくる。


いや、でも友達の家に来るのは普通なのかな。

というか、私たちの関係って友達、なのだろうか……。


そんなことを悶々と考えていると、プレートに入ったお茶菓子と麦茶をお盆に乗せた柊依がキッチンの方から現れた。


「なに正座してんの」

「え、だって」

「楽にしていいよ。だれもいないし」

「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」


意識をしてしまっているからか、つい受け答えもいつもより硬くなってしまう。