【完】桜の降る日、君の隣で死ねますように


そしてグラウンドを走り抜けると、校門の前で立っている柊依の姿を見つけた。


授業が終わってすぐ出てきたのに、柊依の方が早いなんて。


「お待たせ……っ」


走ってきた足を緩めながら声を張り上げると、柊依は私を見つけるなりその顔をあどけなくほころばせる。


「よう。久しぶりだな」


本当に久しぶりだ。

最後にあったのはこの前の土曜日。

たった4日会わないだけで、もうずっと会っていなかったような気持になるから不思議だ。


乱れた私の髪を整えながら、柊依が苦笑する。


「そんなに急がなくても俺は逃げたりしねぇよ」


柊依に言われて、ここまで走ってきた自分が急に恥ずかしくなって赤面する。

なんだか私、柊依からのメッセージで浮かれて我も忘れて駆けてきて、だいぶ子どもっぽい。


「きゅ、急用なのかと思って……」


もごもごと言い訳するように答えれば、柊依が頭をかく。


「急用ってわけじゃないんだけど、紫苑に頼みたいことがあって」

「頼みたいこと? なに?」