小部屋までたどり着くには小さい階段を使い前にいる工藤を追うように小部屋まで行った。
「ああ、俺が作った」
 工藤はよいしょと言ってから、屋上のてっぺんまで上ってから私に言い放つ。
「作った? どうやって?」
 私は上り終えたら、地面に座り込んで、小部屋を覗き込む工藤に言う。
「簡単だよ。まず、段ボール集めてそれで土台作って部屋のようなものを完成できた」
 工藤は段ボールの小部屋の中に入っていたのか、飲料水を二本取り出していた。
飲料水二本のペットボトルを手にしたら、立ち上がり、私の元まで持ってきてくれた。
「ありがとう」
 私は地面に座りこんだまま礼を言うと、工藤は何も言わなかった。
「ここに座って」
 段ボールで作られた椅子だろうか、一人席の椅子があった。
 いつもはそこに座ってくつろいでるのだろう。
 椅子はひとつしかなかった。私は椅子に座った。
 工藤は、近くにあったハンモックに座って、手にしている飲料水のペットボトルの蓋を開けて喉を潤していた。
「こんなの作ってバレないの」
 私はハンモックに座っている工藤は苦笑いを浮かべて、聞いた。
「バレない、バレない。屋上のてっぺんって言っても小さいし、下からじゃあ見えないようにしているから」
 工藤は飲料水のペットボトルを飲み干したあと、手を左右に振って私に言っていた。
「……なんで教室に来たの?」
 私はハンモックに座っている工藤に話しかけた。
「俺の教室だから戻ってもいいだろ」
 工藤は飲み干したペットボトルを近くにあったテーブルに置き、腕を組んで目を閉じて声を発した。
「……いや、昼はいつもいないから。急に来るなんて」
 私は工藤を見てから、声を発した。
「…そしたら、前にもあっただろ」