同性の友達いなくても異性と話せてるからいいよねと思うかもしれないが、そう思うのは友達もいて周りに何も困っていないからだ。
 私は朱と桃二人と手を振り、自分の机に鞄を置いて座り、私は窓を見つめていた。
 窓から見る景色はいつもと違って鮮やかに見えた。
「…よかったな。あの二人と仲良くなったんだな」
 工藤はいつ来たのか自分の席に座り、また机に突っ伏して私の方を見て言っていた。
「……まだ仲良くなったわけじゃない」
 私は窓を見つめたまま、工藤に言う。
「…だけど、あの今野よりはいいだろ」
 工藤は起き上がって私の方を見て言っているのか、視線を感じた。
 私は黙ったまま何も言わなかった。言わないのは、確かにそうだと思えたからだ。
「…なにも反応ないってことはそうだって言っているようなもんじゃない?」
 工藤は何も反応がない私にそう言っていたので、振り向くと寝に入っていた。
「……私だって戸惑ってるんだって」
 工藤は寝に入ったので、私はまた窓を見つめて独り言のように呟いた。
 本当に寝たのか何も言ってこなかった。
 私はそのまま授業を受けて、昼食時になるとソワソワしていた。
 いつもだと、今野琳達の所に行き、机をくっつけてから自分のご飯を口にしていた。
 今回はどうなるのか私でも分からなかった。
 昼食前の授業が終わると私は弁当を持ち今野琳達の所へ行った方がいいのか右往左往した。
 自分の席から立ち上がり、どうしようかと自分の中で考えていた。
 周りからの視線を感じながらも、自分でどうしたいか分からないでいた。
 私は立ち止まり、周りを見渡した。そこには何故か朝一緒にいた桃と朱はいなかった。
 私は漠然とした。朝の出来事は嘘だったのか……
 いや、違う。幻でもない、夢でもない。
 確かに私に好意を持っていることを示してくれた。