父さんは母さんと同じく手を挙げて、急いで自分の鞄を手にして出て行った。
「オゥ」
 私は少し手を上げてからご飯を食べ終わったので椅子から立ち上がり、椅子の近くに置いてあった鞄を手にして、私も行こうと玄関先にあった靴に履き替えようとしていた。
「宙も行くのね。いってらっしゃい。今日は早く帰ってきてね」
 母さんは優しい声で言い私に手を振って、送り出した。
「いってきます」
 私は靴を履いてから、家を出た。両親の結婚記念日は毎回、パーティーが開かれる。
 その時は、いつもより早く帰ってくるのだ。
 十八時集合。私はバス停まで歩いて着いたら、私の隣から声が聞こえた。
「おはよう」
 その声とは、女子クラスメイト二人組だった。工藤が教えてくれた。
 最近私のことをよく見ている女子クラスメイト。なんで、このバス停にこの二人がいるの。
「……おはよう。なんでここに」
 私は戸惑いながら、女子二人組に話しかける。
「……私達、ここの近くに住んでいるの。あのさ、一緒に学校行かない?」
 女子組一人が私の反応を見ながら、聞いてきた。
 私は目を丸くして、聞き返した。彼女たちはなぜ、私がこの近くに住んでいて、バス停まで向かっていることを知っているのか不思議でならない。
「あのね、私たちあなたと話したかったの。今まであなたを見てきて、話ししたいなぁと思って…。工藤くん・六弥くんとは 仲良くしてるみたいだから…」
 女子組一人はモゾモゾとした様子で私に言ってきた。
 もう一人は私と女子組一人との会話を聞いていた。
 もしかして、工藤と六弥くんと一緒に学校行こうとしているところ、見られた?
「工藤と六弥くんとは話すけど…。二人と仲いいから私と話したいの?」
 私に女子組一人が話しかけてきたが、その言葉が工藤・六弥くんと仲良くなりたいからだと思えた。
 女子組一人と少し距離を離してから、言い放つ。