私は母さんに手を振って立ち上がり、部屋に戻ろうとした。
「頑張るのよ~」
 母さんはソファーにまた横になってから、私に手を振っていた。
 私は部屋に戻ると、ベットに横になった。
 学校では工藤・六弥くん以外に誰とも話せていないって母さんに言ったら、どんな顔するのかなぁ。中学校の時もそうだった。留学している友人は、卒業式の前日位から仲良くなったのだ。たまたま共通の話題があって、意気投合した。
 その話題とは、嫌われているクラスメイトのことだった。
 嫌われているクラスメイトとは、自己中心的で何事もわがままだった。
 そのクラスメイトは男女問わずに嫌われていた。
 友人は私にその話をし始めてから、話すようになった。
 悪口から仲良くなるのは、女子しかいないと思うが…。そんな経緯があったのだ。
 中学時代は、今みたいに自分を隠していた。だから、今と同じようにやっていくしかない。
 私は天井を目を開けて、見る。天井は長年住んでいるからか、くすんでいた。
 白い壁紙がくすんで変化していた。この壁紙のように私はなっているのかな。
 私は何も変わらない。壁紙のように私は変化しているのだろうか。
 そう思えて、私は何故か心が痛んだ。
 それと同時に目から一粒ずつ水が流れるように頬まで流れていた。
「あはは…うぅうぅ」
 私は一人で涙を流した。自分が変われていない現実に飽き飽きしているし、変わろうとしない自分に腹だしさがつのっていた。
 涙が出るたびに、手で拭ってはティッシュを持ち、鼻をかむを繰り返して、涙が出て終わるのを待っていると、いつの間にか夜十時になっていた。
「うわっ。目が赤すぎる」
 私は部屋にあった手鏡を持ち、自分の顔を見ると、酷い顔していた。
 これは、誰にも見せられないな。私はこっそりとお風呂場に行き、入った。