私はすぐに返信をした。ありがとう。私も楽しかった。明日からまたよろしくと打った。
 数分後、よろしくお願いしますと可愛げのあるキャラクタースタンプが送られてきた。
 私もたまたま持っていたので、同じスタンプを返した。
 それから私は自分の部屋に行き、ベットに座り、好きなラジオ番組をかけて、聞いていた。
 まだ知らなかった。クラスメイトが同じラジオを聞いていたのを、のちに知ることに。
 翌日。私は起きて、サイズがちょうどいい新しい制服を身につけた。
 昨日も制服を着たのに、なんだか見慣れないので自分自身を鏡越しで見つめる。
 学校が始める前に、美容室に行った。
 長い髪を少し揃えるくらいで、あとはくしで整えるくらいが今の私にちょうどいい。
 前髪は眉あたりまであり、クリームを手の甲に少々出してまんべんなく前髪に塗る。
 そして、くしで揃える。完成だ。
 なぜ、あまり切らなかったのかと思うかもしれないが、ボブにすると、うなじが出て、そこから冷たく視線を感じる気がするからだ。
「よし、大丈夫。いける」
 鏡越しで自分に言い聞かせて、制服を整えてブツブツと一人で唱えるように言ってから、鞄を手にした。自分の部屋のドアノブを掴み、リビングに向かった。
「おはよう」
 私は両親に元気よく挨拶した。
「おはよう。今日は早いわね。よほど楽しみにしてるのね」
 母はフライパンでソーセージを焼いて、疲れた様子を見せずに笑顔で私に言った。
「…楽しみではある」
 私はテーブルには食事が並んでいて、顔を洗ってから椅子に座り、無表情で答える。
「ふふふ、いいわね、高校生。わたしたちも若かったわね」
 明るい声で母は私に言い、私の隣に座っていた父に話しかけていた。
「だな、高校の時のお母さんは可愛かったからな。今も可愛いけどね」
 父はデレデレした表情で母に言う。