六弥くんはどこかへ行き、私は一人ジュースを口にして考え込んでいた。
 このまま今野琳達といた方が楽しいのかと言葉にしないが工藤と六弥くんに言われ、私は自分でどうしたいのか分からないでいた。
 誰かといないといけないという固定概念は間違っているのかもしれないと思うようになってきた。だけど、女子と男子では、女子はグループでいたほうが有利なのは確かだ。
 男子は一人でいても、グループはあまりなく、誰とも問わずに話しかけやすい。
 私は今までもグループにいないと孤独だったから。
 女子は特に。男女平等と法律では定まれているが、現状同じ立ち位置でいる訳ではない。
 その一方で、六弥くんはカフェから出て、誰かに電話をかけていた。
「僕だけど…さっきのはどういうこと?」
 誰かに電話をして、相手に言っていた。険しい表情を浮かべているようだった。
「あの通りのことだよ。六弥くんはまだ分かってないようだけど、俺じゃ無理なんだよ。何年も治ってないじゃないか。事例通りやってもダメならお断りだよ」
 相手はため息をついてから、六弥くんに困った様子で声を発していた。
「…ちょっと…待って…。あっ、誰ならいいんだよ」
 六弥くんは唇をかみしめながら声を発してから、空を見上げていた。
 空は青く切ない表情をしているように見えた。
「やっぱり、今宮さんしかいないのかな」
 独り言を呟きながら、またどこかへ去った。私はまだ知らないことあり過ぎた。
 工藤も私も……自分が分からないでいたのだ。