森のジュースはオレンジ・ぶどうの二つを選ぶことが出来て、私はオレンジ・六弥くんはぶどうにした。いろんなスイーツ・ジュースがメニュー表にあったが何故か同時に選んでいた。
「俺たち気が合うね」
 メニュー表を定位置に戻してから、六弥くんは私を見て、声を発した。
「…そうだね」
 私も頷いた。
「あのさ、女子ってなんでグループでいなくちゃいけないの?」
 六弥くんは両手を絡ませてテーブルに置き、私の反応を見ながら話しかけていた。
「……なんで? 工藤からなんか聞いた?」
 私は即座に聞いた。工藤にしか言ってないけど、クラス一緒だから分かるよね。
「まあ、少し聞いたよ。一緒にいなくていいじゃないかなと思うよ。無理する必要あるの?」
 心配そうに私に聞いてきて、六弥くんは目尻を下げていた。
「女子はグループでつるまないと生きていけないの。私も一人でもいいって思った時もあったけどダメだった。結局、誰かとつるんでないと変な目で見られるから。クラスにも全体にも」
 下を俯いていた私は六弥くんの目を見れなかった。どんな反応するか……
 呆れるだろう。それか、しつこくなにか言われるだろうか。
 私は六弥くんの反応を恐ろしくて見られなかった。
 ずっと私は下を俯いていたら、六弥くんは声を発した。
「…それは違うよ。必ずグループにいなくちゃいけないわけじゃない。周りの目なんてどんとこいだよ。そう思わないとやっていけないよ。ねぇ? 大丈夫!」
 六弥くんは笑いながら、私に励ましてくれた。
 私は顔を上げて、六弥くんの顔を見上げて釣られて笑ってしまった。
「ありがとう。聞いてくれて」
 六弥くんに私はお礼をした。
「いいよ、あ、きたみたいだよ。ジュース」
 店員が持ってきたジュース二つは、私たちがいるカウンターに運ばれた。
「美味しそう。飲もう」
 六弥くんはストローを持ち、口をくわえて飲んだ。