君の雨が溶ける

 またやってきましたね、くっちゃんさん。
 今日はなんでしょうねー、こんばんは。
 また面白いことが起きました。ある女の子が僕の家にきました。

 パーソナリティーの相方がくっちゃんの言葉に反応して、女の子来たんですか? え? 今から話すのは恋愛系ですかねーと返していた。

 さあ? まだ分かりませんが、読んでいきましょう。

 女の子が来たからって家には上げていません。
 
 外で話したのですが、僕はあの言葉に救われました。

 なんなんだろうね、あの言葉とは。気になりますね。

 パーソナリティーの方は、またの展開に期待していますと言い、ラジオは終わった。

 ラジオはいつも大体十七時あたりからやっている。

 なぜか毎回くっちゃんさんの手紙が読まれる。

 違うリスナーの方もいるがラジオのパーソナリティーに評判よく読まれるのかもしれない。

 私はそのあと母さんに呼ばれて、リビングで夕食の支度をはじめた。

「宙ちゃんはこれやっておいて、はい」

 母さんから渡されたザルにレタスがあり、洗ってキッチンペーパーで水分を取った。

「できたよ。はい」

 私はやり終わると、母さんに渡した。

「ありがとう。あとは飾りつけるだけだから大丈夫」

 母さんがそう言うと、あらかじめ作っていたハンバーグをフライパンにのせて焼いていた。

「わかった」

 私は返事をして、後ろを振り返り、リビングにあったソファーに座ろうと向かった。

 その時、母さんから声をかけられた。

「宙ちゃん。新しい学校はどう? 楽しくしてる?」
 
 母さんは心配そうに私に聞いてきた。
 
 心配症で新しい生活になると、質問攻めが始まる。

 まだ今のはいい方だ。
 
 学校で何かの行事があると、どんな状況なのか聞いてくる。

「…大丈夫。なんとかやっていけてるよ。大丈夫」