さっき今宮と会ったのは、最後に誰かと会いたいかって言われて、それが今宮だった。
 親でもなく、友達でもなく…今宮だった。それが最後の一回だけだったんだ。
 まだ俺には言わなくちゃいけないことがある。
 それは今じゃない。今言ったら、困惑するだけだから。
 俺は泣く今宮をただ見ていることしかできなかった。
 俯きながら俺は……苦しそうにしている今宮を見守っているだけで俺も泣いた。
 亡くなった俺には何もできないからだ。俺はこれでよかったと思っている。
 亡くなっても、今宮を守れたので俺は後悔していない。
 それでも申し訳なさそうにする今宮にどうすればいいのか俺は分からなくなった。
 分からなくても、ただ一つ言えることがある。今宮を守りたいってことだけだ。
 飴はもって、十年しかもたないと分かっていたけど、溶ける前提であったのかと思いきや、違かかったみたいだ。溶けない様に俺の机の中に眠っていたはずが、十年の歳月で急に爆発して飴が溶けたのだ。
 今宮と会う前に俺は自分の部屋に行くと、机の中で飴がぐちゃぐちゃになっていたのだ。
 もしかして、飴の効力はそれだけじゃなくて、見張っていたのかもしれない。
 今宮が危ない時を感づいて、溶けて爆発したのかと俺はそう思った。
 あの駄菓子屋のおじさんは知っていたのか。知っていたうえで言わなかったのか。
 溶けないからって油断してはならないと言っていた。
 駄菓子屋のおじさんは、感づいているのか? と俺に聞いてきた。
 その時にはもう、あのおじさんには見えていたってことか。俺の運命が。
 俺はまばたきを数回してから今宮がまだ泣いてる横で俺は駄菓子屋のおじいさんの所へ向かった。駄菓子屋によると、まだ開いていなかった。朝早い時間帯なので、開いていない。
 俺は開いていない駄菓子屋を立ち尽くして見つめた。
 見つめているとある人が声をかけてきた。