六弥はそんな工藤がもう現れないと感じた。何故か、六弥は嫌な予感がした。
「工藤!」
 六弥は工藤を呼んだ。
「なんだよ!」
 工藤は少し口角を上げて、六弥に言い返す。
「また、会えるよな。工藤」
 六弥は両足を広げて、道路上で二人は向き合っていたけど車や自転車は来なかった。
 歩行者も誰一人もいなく、二人だけで会話をしていた。
「………ああ」
 工藤は返事をして、去っていた。
 六弥は工藤が見えなくなるまで見送った後、自分の自宅に戻った。
 自分の部屋に入って、六弥はなにか分からないけど、嫌な予感がした。
 どこか見えないなにかが働いているのではないかと思えたからだ。
 月曜日。私は学校に行って、いつも通りに授業受けて、何事もなくお昼ご飯を終えて、放課後になっていた。今日一日、何もなかった。
 そんな毎日特別なことが起こる訳ではない。今日に限っては、授業で先生にあてられないし、掃除だってゴミ捨てくらいだし、後はしなくていいと言われるし、クラスメイトが何をしてくるわけでもない。平和な一日が過ぎていく。私は一歩ずつ家に向かうため、歩いていた。
 イヤホンもつけずに、いつもの帰り道を通っていた。
 大道路を歩いて、歩行者の青信号になるのを待っていると、後ろから何か気配を感じて
振り返ると、私は見たことのない男がいた。
「なにして……。やめて下さい。……っ」
 見たことのない男が私を強く抱きしめてきた。
 いきなりのことで私は困惑しながらも、男に抵抗をしながら青信号に変わったのを見計らい、男の手を噛んで走った。男は私よりも速くついてきて信号を渡り切っていないのに私の肩を掴んで私に言ってきた。
「…ねぇ、あんた、覚えてる? 俺のこと?」
 男は私に聞いてきた。見たこともない知らない男が。なんで私に。
「…誰ですか?」
 私は怯えながら、男に聞いた。