だから、くっちゃんさんの投稿をしているラジオはかかせなくなっていたのだ。
 工藤とはあの日、公園に会った以来、会えていない。なぜあの公園を工藤は知ってたのか。
 不思議に思えた。あの公園は、地域住民しか知らないはず。
 工藤は今、違う所に住んでいる。どうして、あの公園に。工藤の言ったことを思い出した。
 俺があの公園にいたとしたら、どうする? と。あれは本当のことだったの、まさか。
 私は立ち上がって、部屋の窓を開けて、空気を吸った。
 吸ったら、私は胸の中に空気を入れて、心を入れ替える。そんなはずがない。
 彼とは高校に入学してから、会ったのだ。はじめてその日に会ったのに。
 私とは関係ないはずなのに何故か工藤を思い浮かべる。
 あまり顔に出ていないのに彼を思い出すと、微笑んだり、苦笑いをしたり、死んだような目をしたりなど表情一つひとつ頭の中に言葉とともに現れる。
 そんな彼をどうしても抱きしめたくなる。
 今何しているのだろう。私は工藤の電話にかけるのではなく、六弥くんに電話をした。
 六弥くんはすぐ電話に出た。
「はい、どうした?」
「あのさ、工藤って、どこにいるか知ってる?」
「……なんで?」
「……昨日以来、見ていないし。どうしているか」
「僕さ、前にも言ったけど、今宮さんは工藤にとって一番だよ。じゃあ」
「ちょっと……」
 私は六弥くんに言いたいことあったのに、何も言えなかった。
 今日、土曜日だから忙しかったのかな。
 私は首を傾げてから、携帯を自分の机に置いて、テレビを見るためにリビングに向かった。
 その一方で、六弥くんは工藤と会っていた。
「今宮さんからなのに…お前が来てるって言わなくて良かったのか」
 六弥は自分の家の玄関先でお互い立って、工藤の話を聞いた。
 工藤が六弥に電話をして、話があるということで呼び出された。