私の家族のことを知るのは、先生たちしかいない。
 掲示板のページをマウスを持ち、中指でスクロールした。
 そしたら、私の家族のことが書かれていた。
 しかも、私の学校生活のことまで。そこには桃が言っていた掲示板がそこにはあった。
 掲示板には私の噂とともに学校生活のことが書かれていた。
 私の噂には、今宮宙の両親は本当の親じゃない。今宮宙はなに考えているのだろう。
 いつも何考えているか分からないし、教室にいるだけの存在。
 今宮宙は逃げてばかりなどと私のことがたくさん書かれていた。
 なんで? なんのために? ペンネームは品川と書かれていた。
 あまりにはっきりと苗字が書かれていたので、私はあざ笑うようにパソコンに向かい言う。
「なんで? 担任がこんなことするの」
 自分のパソコンの前で椅子に座ったまま、パソコンを指をさして、一人で呟く。
 私は何もかも落胆した。自分が通っているクラスメイトにも担任にも誰を信じればいいか。
 もう分からないでいた。すべてのものが化石となり、誰もが固まっているようだった。
 何も動かないままでも私の見ない所で抜け出して、何かをしでかしているように思えた。
 私は椅子に座ったまま、頭を自分の両膝につけて目を瞑り、真っ黒で何も見えない世界に行き、自分はこの世界の住人ではないと認識するようにした。
 目を開くと、私は見慣れた景色が広がっていて、現実に戻った。
 私はため息をついて自分のパソコンにある掲示板を見る。この現実を向き合う自信がない。
 だけど、工藤と向き合って話していたことを思い浮かべる。
 工藤は一時も私のことを批判したことがなかった。
 私が泣いていた時も、顔色に出さないけど傍にいてくれた。
 それだけのことだけど、その行動が私の心に寄り添ってくれた。
 私は自分の部屋のドアを開けて、リビングへと向かった。